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アイラン・カン(Airan KANG)は、叡智のあかりを光る本のオブジェであらわし、我々を観照の空間に誘います。
韓国で生まれ育ち、カントなどの西洋思想に慣れ親しんだ作家は、自らのアイデンティティを模索するかのように、1999年から本を用いた概念的なインスタレーションを発表してきました。作品は実際にある本のサイズと同じ原型を透明樹脂で型抜きし、LEDを使い内側から発光するようにつくられていますが、本の光に照らされるとき、光輝く本のオブジェは、個人の文化的蓄積をしめす記号でもあり、脳神経システムの一端子でもあるかのようです。 一冊の光る本から始まった作品は、近年では、物体としての本からその存在性を仮想空間に再構築し、見る人が身体を用いて体験できるプロジェクトへとして提示し、デジタル時代における相互作用的な、新しい知のあり方を探っています。 日本における美術館スペースでの初の本格的な個展となるこの展覧会では、展示室のなかにミラールームを設け、虚構のまじる多元的な空間をつくりだします。 それは、仮想と現実が混在する、今日の情報化社会におけるリアリティーのすがたを映しているかのようです。 人間の物質の重力を超越して、高みにのぼる精神の瞬きをどうぞご覧ください。
※掲載情報について |
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