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ぼくは島根半島の近く、夜見ケ浜に生まれ、小さい頃(五、六歳くらい)おばあさんにつれられて島根半島の裏、即ち日本海側のほうによく出かけたものだ。だからそこのうす暗い道にでると、だとえそこが初めての場所であってもぼくはいつかそこを通った気持ちがしてならないのだ。
でもそれだけではないのではないか、ひょっとしてぼくは古代に生きていて、この道を通ったことがあったのではないか、とふと思いあたることがあった。その思いにつきあたった時のことは、今でもハッキリおぼえているくらい、大きな衝撃を感じたものだった。 即ち、ぼくの祖先はかつて出雲に住んでいたのだ。 (エッセイ「死とたわむれ」1975年) 水木しげる氏は、幼い頃から島根半島に不思議な雰囲気を感じ取り、古代のおもかげを残す出雲や、おっとりとした気風の出雲びとに並ならぬ親しみを抱き続けてきました。 以来約80年。壮絶な戦争体験、戦後は餓死寸前の貧乏生活、一転して多忙を極める人気漫画家、さらには妖怪をはじめとする精霊研究の第一人者-。波乱万丈の人生をたどるなかでも「出雲へのこだわり」は消えることなく、やがて水木氏の夢枕には、古代出雲族の青年が幾度となく現れて、語りかけるようになったといいます。 今年は、出雲を舞台とした神話を数多くつたえる『古事記』が編纂されてから1300年にあたります。 当館ではこれを記念して、水木氏が出雲を題材とし、舞台とした数々の作品の原画を中心に、氏が出雲に赴いた時の写真、関連する資料など約70点を一堂に展示します。 水木氏の長年にわたる「出雲へのこだわり」の世界をどうぞお楽しみください。 [料金] この展示は、古代出雲歴史博物館 常設展チケットで観覧できます。 一般600円/大学生400円/小中高生200円
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