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東京工芸大学 写大ギャラリー(所在地:東京中野区)では、2013年6月15日(土)から8月8日(木)まで、薄井一議 写真展「Showa88/昭和88年」を開催します。
本年2013年は、もし「昭和」という年号が続いていたとすれば「昭和88年」にあたります。本展は、写真家 薄井一議が、もし「昭和」という時代がまだ続いていたら?という架空の時間軸に基づいて制作された写真展です。 「昭和」という時代は、太平洋戦争や戦後の高度経済成長など、日本が大きく変化を遂げた激動の時期でした。「昭和」が終わって20余年が経った現在、「昭和」という言葉の響きには、すでにノスタルジーやレトロなニュアンスが漂ってきています。 とりわけ震災以降、先行きが混沌とする21世紀の現代において、「昭和」という時代に対して郷愁を感じる日本人は多いでしょう。それは、戦後復興や経済成長といった当時の日本人の活力への憧れや、高度にネットワーク化されグローバル化した現代では失われつつある生活習慣や風俗への懐かしさのようなものかもしれません。 今回の作品で薄井は、大阪の飛田新地、京都の五条楽園、千葉の栄町など、過去の歴史と生の営みを色濃く感じさせる歓楽街や、恐山など古来の信仰がある聖 地、あるいは多くの死と直面した東北の被災地などを撮影地に選び、そこに現実と虚構を緻密に入れ込みながら、「昭和88年」の日本を、強烈なインパクトの ある世界へと描きだしています。 その世界は、人工的ないかがわしさや、毒々しいまでの色彩に満ち溢れていますが、どこか人間臭くもあり、生への濃密な欲望のような感覚を呼び覚まします。 それは、現代とは別の時空の物語のようでありながら、実は、平成の「いま」という時代にも通底する、日本人の精神風土までをも鮮やかに捉えているのではないでしょうか。
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