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いま、を見つめる力
いま、という時代と向き合っている。田浦哲也さんは、ひたむきな画家である。絵筆で、現代を問いかける。いじめ、環境問題、原発、さらには競争社会、格差社会などを、風刺のこころを交えて作品にする。永年、学校の教育現場で生徒たちに美術を指導してきた経験が生きている。その一方で、自らを、人間を見つめている。まじめでありながら機知にとんだ柔軟、軽妙な発想が面白い。 長谷川陽三さん、古賀耕児さんら九州、福岡の二科会のリーダーが相次いで他界されたあとの二科会の後継者でもある。期待が大きい。今回の個展は「見つめ見つめられるひと」がテーマとなっている。絵を楽しんでもらおう、という余裕も感じさせる。私も会場を訪れ画家が、現代を、人間を見つめることの意味を考えようと思っている。 松尾孝司(田川市美術館館長) 田浦哲也 画歴/1952年福岡県北九州市生まれ。武蔵野美術大学卒業。二科展パリー賞・損保ジャパン美術財団奨励賞等を受賞。安井賞展出品。谷尾美術館大賞展・西日本美術展・英展等で受賞。現在、二科会評議員、二科福岡支部長、九州産業大学芸術学部非常勤講師。
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