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【講演の概要】
戦前の墨田区寺島町(現、東向島)は玉の井と呼ばれた私娼窟であり、文豪「永井荷風」は幾度となくこの地を探訪して名著「墨東綺譚」を著しました。戦前の玉の井は昭和20年の東京大空襲で全てが焼失し、荷風が歩んだ街角は跡形もなく無くなりました。しかし、荷風の名著に感動され、現地の路地裏を彷徨される文学愛好家が今でもあとを断ちません。今回は、復元した昭和18年の玉の井の住宅地図を基にして、荷風が歩いた町内がどのようなものであったか、を数少ない写真資料と共に再現してみるものです。 そして、焦土と化した寺島町は戦後になって直ちに復興を開始し、街の一部にはカフェーが開業するようになりました。ここには多くの女性が働いていて、下町の中でも艶やかな雰囲気を形成する新玉の井となりました。ここには特異なカフェー文化がありましたが、その実態は余り正確には記録されておらず、また、資料も少ないものです。戦後から昭和33年の赤線廃止に至るまでの間のカフェーの経営者、女性、さらにはいろは通りの商店主などの住民がどのような人達であったかを織りまぜながら、復興期の下町の暮らしを解説することになります。 【講座の内容】 第1回 戦前編 5月30日開催。 永井荷風が撮影した写真、木村壮八のスケッチを参照しながら、荷風がどこの路地を歩いていたかを説明します。今までは撮影場所、スケッチ場所が特定されていませんでしたが、復元した住宅地図により正確な場所を特定しています。 第2回 戦後編 その1 6月20日開催。 敗戦から復興した寺島町では早くもカフェー街が発足しました。カフェーの成り立ちから始まり、当時を振り返って経営者、女性の日常生活やいろは通り商店街がどのようなものであったかを解説します。玉の井という限定された地域での調査を発表するのは今回が始めてのことになります。 第3回 戦後編 その2 7月11日開催。 戦後になって新玉の井のカフェー街は、売春防止法の施行により昭和33年にその灯を閉じました。長年続いていた赤線がどのような社会要請により廃止されることになったのか、を立法から施行までを系統的に解説します。また、廃業したカフェーの業者がどのような職業に転業していったか、についても合わせて説明します。 【講師の略歴】 講師は、日比恆明。平成8年頃より地元の古老から戦前戦後の玉の井の社会生活を聞き取り、「玉の井 色街の社会と暮らし(自由国民社刊行)」にまとめています。写真、資料を多数収集し、墨田区緑図書館などで展示しました。平成26年には市川市文学ミュージアムで「荷風の歩いた玉の井」と称した講演を開催しています。 【申込みの方法】 ハガキに、「玉ノ井路地風景」と記載し、⑴郵便番号、⑵住所、⑶氏名、⑷電話番号を明記の上で、下記の住所にご郵送下さい。 〒131-0032 東京都墨田区東向島2-38-7 すみだ学習ガーデン事務局 電話03(5247)2006 【受講費用】 3回分一括して4,500円(1名様) 【申込みの〆切】 平成27年5月25日当日の消印まで有効。 本イベント提供者
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